技術コラム第15回:2.23インターナショナル・オープンデータ・デー in YOKOHAMA 参加レポート(その1)

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横浜では,「オープンデータで楽しむ観光」を大きなテーマとして、フィールドワークを想定した3つのワークショップが開催されました。横浜に関するオープンデータを作成したり、データ活用のアイデアを出し合うハッカソン&アイデアソン、オープンデータを活用したスマホアプリを使いながら街歩きを楽しむワークショップ、横浜の地域情報を調査してWikipediaコンテンツを作成するワークショップが行われました。全体で100人以上の参加者が集まり、とても盛況でした。

 

私は3番目のワークショップ「横浜をWikipediaタウンにしよう!街歩き」に参加しました。ワークショップの目標は、Wikipediaコンテンツを参加者自身で編集すること。インターネット上の百科事典として普段から利用しているWikipediaを編集する期待感と緊張感を胸に、集合場所である横浜中央図書館に向かいました。偶然にも、Wikipediaを初めて編集する皆さんが集まりました。最初に,講師の日下さんがWikipedia入門講座で丁寧に解説して下さり、Wikipediaコンテンツを共同編集するコツなどを教わって不安は解消されました。続いて、横浜中央図書館の司書さんから、図書館の資料や利用方法について説明を受けました。

 

ここからはグループワークに移ります。4つのグループに分かれて、それぞれ横浜認定歴史的建造物について文献で調査を行いました。私は、横浜市民ながら、初めて耳にする不思議な名称の建造物に興味を持ち、「インド水塔」を調べるグループに参加しました。文献を参考にしながら、建造物についての理解を深め、Wikipediaコンテンツの構成を練ります。時間が限られていたので、今回は、建造物の基本情報、建築の経緯、建築様式の特徴の3点に絞りました。このとき、司書さんの豊富な知識とアドバイスがとても役立ちました。図書館を、人が集まって知識を共創する場と感じられたことが新鮮でした。

 

グループに分かれて作戦会議中。

 

続いて、フィールドワークです。調査メモを持ってインド水塔を見に行きます。インド水塔は、関東大震災で被災した横浜在住のインド人が、横浜市民から受けた救済に感謝して横浜市に寄贈した水飲み場です。塔と呼ぶには小さくて拍子抜けしましたが、ドーム状の屋根の内側天井部には,カラフルなタイルでモザイク模様の装飾が施されていて、感動もの。思わず見とれてしまいました。震災で亡くなった同胞への慰霊と、横浜市民への感謝の意が込められていたのでしょう。知らなければ通りすぎてしまいそうな建造物ですが、歴史や背景を知った上で訪れてみて、新しい発見や気付きがありました。まさに、オープンデータで観光を楽しんだ瞬間でした。

 

インド水塔に到着。美しい装飾を被写体にして撮影会となりました。

 

最後にさくらWorksへ移動して、インド水塔についてのWikipediaコンテンツの作成に取りかかります。テーマを持って現地を見学した私たちにとって、新しいWikipediaコンテンツをまとめることは自然な流れでした。編集作業の衝突が生じないよう、最初にラフな流れを作ってWikipediaに流し込んでおき、セクション毎に担当を決めて並行して編集を行いました。事実情報や参考にした情報には引用を付けるなど,なるべく客観的に仕上げるよう心がけました。ブラウザでWikipediaコンテンツとして見られるようになると、一気にテンションが上がります。インフォボックスと呼ばれる、Wikipediaコンテンツの右上部分に置かれているテーブル形式の項目データを追加したり、写真をアップロードしたりと、このWebページを訪問した人に楽しんでもらえるような情報を少しずつ書き加えました。

 

 

インド水塔のWikipediaコンテンツ。まだ「工事中」となっているところがいかにも。

 

各グループの成果はこちらです。

 

本ワークショップでは、Wikipediaを利用して「街を編集する」を実践したわけですが、横浜に住む市民にとっても、横浜を訪問する人にとっても楽しめる、新しい体験でした。一度、Wikipediaコンテンツを作成すると、他の情報と関連付けたり、他言語へ翻訳したりして情報を拡充できます。また、既存の観光情報や施設情報と連動したり、DBpediaと呼ばれるサービスを介してオープンデータとして流通させたりすることによって、活用の幅が広がります。参加者の皆さんから1回のワークショップで終わってしまうのはもったいないとの声が上がり、Wikipedia town YOKOHAMAというFacebookの公開グループで情報交換を始めました。横浜だけでなく、全国各地で「街を編集する」取り組みが広がるといいですね。

 

長野伸一

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